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乳腺の良性疾患

乳腺の良性疾患
  1. 乳腺症
  2. 線維腺腫

乳腺組織のミクロの世界

乳腺の病気をわかりやすく考えるために、ミクロの世界に飛び込みましょう。前項で説明したように、乳腺を構成するメインは乳腺腺房(またはその集合体である乳腺小葉)とそれにつながる乳管です。乳腺腺房と乳管はそれぞれ1層の乳腺腺房細胞(小葉細胞)または乳管細胞でおおわれています。これらの細胞は総称して上皮細胞と呼ばれます。この外側には1層の筋上皮細胞という細胞があり、この細胞はオキシトシンというホルモンに反応して収縮し、乳汁分泌にかかわっています。これら上皮細胞と筋上皮細胞はさらに基底膜という膜で裏打ちされており、腺組織を構成しています。各小葉・乳管組織の間には線維細胞やリンパ球、線維結合組織が存在します。

乳腺のミクロの世界
正常乳腺(乳腺のミクロの世界)
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良性と悪性の違い

良性腫瘍とか、悪性腫瘍などという言葉を耳にする機会があると思いますが、この“良性”と“悪性”の違いは何でしょう?基本的に、良性腫瘍はその場で増殖し拡大しますが、周囲の血管やリンパ管に拡がることなく、できたところに限局しています。悪性腫瘍は癌や肉腫などに代表されるものですが、血管やリンパ管に乗って全身に拡がります。悪性腫瘍は無秩序に増殖し、全身を蝕むので恐れられているのです。

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乳腺の良性疾患

乳腺の良性疾患
  1. 乳腺症
  2. 線維腺腫

1. 乳腺症とは

乳腺症はエストロゲン・プロゲステロンという女性ホルモンのバランスの乱れから起こると考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。前述した乳腺小葉・乳管の細胞の数が増え、1層でなく何層にもなったり(過形成や乳頭腫症)、細胞の形が変わったり(アポクリン化生)、乳管の径が不規則となり拡張した乳管の中に液体が貯まったり(のう胞)、乳腺腺房の密度が増したり(硬化性腺症)、周囲の線維成分が増したり(線維腺腫様変化)、その他さまざまな変化が乳腺全般に現れます。このため、乳腺に痛みを感じたり、乳頭からの分泌物がみられたり、ごりごりした腫瘤をふれたりするのです。上記の変化のほかに、乳腺小葉・乳管の細胞の大きさや細胞核の形・大きさなど、細胞の顔つきから“異型性あり”と判断される場合があり、こういった病変が見られる場合は、将来癌化する可能性が高くなるといわれています。

乳腺症のQ&A

Q1 乳腺症は遺伝しますか?

A1 一概には言えませんが、お母様が乳腺症といわれ、娘さんがやはり“ごりごりした乳腺”を持っているというケースはよくみられます。

Q2. 乳腺症の予防は?

A2 原因が明らかでないので、決定的な予防策はありません。が、痛みがある場合、過剰な脂肪分やカフェインを制限するといいとも言われています。

Q3 乳腺症の治療は?

A3 乳腺症は正常乳腺でも見られる変化の甚だしいものですので、一概に病気とは言えません。ですから、治療も必要ありません。ただし、痛みのひどい場合、(薬ダナゾールというエストロゲンの生成を低下させる薬や漢方薬)で治療することもあります。

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乳腺の良性疾患

乳腺の良性疾患
  1. 乳腺症
  2. 線維腺腫

2. 線維腺腫とは

線維腺腫は乳腺周囲の線維組織成分と腺細胞成分の両方が増殖する良性腫瘍です。10代〜30代の比較的若い年齢に見られ、くりっとしたしこりとして触れることが代表的です。線維腺腫は良性なので大きさが変化しなければ放置しておいてかまいませんが、大きさが増大する場合はほかの疾患の可能性もありますので手術して摘出することもあります。

線維腺腫のQ&A

Q 線維腺腫は硬いくりっとしたしこりで触れるといいます。しこりがくりっとしていれば、放って置いてもかまいませんか?

A1 どのような年齢でも、しこりを触れた場合は悪性の可能性は否定できませんので検査施設のある病院での診察をお勧めします。