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胆管癌

胆管癌とは 慈恵医大外科での治療と成績

慈恵医大外科での治療と成績

胆管がんに対する治療の第一選択は手術です。ただし、全身が衰弱しきっていたり、心臓、肺、脳などに大きな余病があると手術は受けられないことがあります。また病気が進行し過ぎていると手術の効果が無いといわれ,このような場合は抗がん剤、放射線治療を選択します。一般的に病期分類の第Ⅲ期までが手術の対象となります。

胆管癌病期分類(胆道癌取扱い規約第5版より改変)

I期 がんが胆管の中だけにとどまっている段階。
II 期 胆管と隣り合う臓器にがん拡がっていることが疑われるか、あるいは胆管の近傍のリンパ節に転移をしている状態。
III 期 胆管と隣り合う臓器(膵臓、肝臓、十二指腸、胆嚢など)にがんが明らかに直接浸潤して拡がっているが、その範囲がごく近傍にとどまっていると考えられる段階。
II 期より遠くのリンパ節に転移している場合も含みます。
IV 期 III 期より遠くまでがん浸潤がおよんでいたり、肝臓へ転移していたり、また腹部の中にがん細胞がこぼれて拡がる腹膜播種がある段階。

特に手術治療に関して

肝外胆管は肝臓や膵臓、十二指腸の間にある臓器であり、また周囲には門脈や肝動脈という重要な血管が走行しています。がんがどの程度まで拡がっているかにより、これらの臓器を一緒に切除しなければなりません。また,胆管とその周囲のリンパ節を含んだ結合組織もまとめて切りとるのが大切です。このため、がんができた部位により手術方法が変わってきます。

(1)肝門部・上部胆管がん
「肝外胆管切除+肝切除術」
肝門部、上部胆管にできたがんは肝臓方向に進行することが多いため、肝外胆管の切除に加え肝臓の切除が必要です。(肝臓の左右どちらか半分または中央を切除する)
(2)中部胆管がん
「肝外胆管切除術」
中部胆管がんの場合は、肝外胆管(胆嚢を含む)のみをとり除いて済む場合がありますが稀です。多くの場合、肝臓側か膵臓側のどちらかに進展しています。
(3)下部胆管がん
「膵頭十二指腸切除術」
下部胆管は膵臓内を走行しているため、下部胆管がんでは肝外胆管切除に加え、膵頭部、十二指腸、胆嚢、胃の一部を切除する必要があります。
(4)肝門部〜下部胆管までがんが浸潤する場合
「肝切除術+膵頭十二指腸切除術」
がんの浸潤範囲が肝門部から下部胆管まで拡がる場合、肝臓・膵臓両方を同時に切除する必要があります。

手術の危険性、合併症

胆管がんに対する手術では、いずれの場合も規模が大きくなり、肝臓や膵臓などの生命に極めて重要な臓器に直接操作が加わるため、術後合併症や手術死亡は他の臓器に比べ依然高率なのが現状です。

合併症には、出血(4%)、胆汁漏 (4%)、膵液漏 (膵合併切除例43中16例:37%)、腹腔内膿瘍 (14%)、胆管炎 (4%)、胆管狭窄 (0%)、膵炎 (0%)、肝不全 (2%)、肺合併症 (無気肺や肺炎など:28%)、血栓症 (4%)などがあります。…括弧内は当院での発生率。

胆管がん手術症例の予後

手術を行った場合のStage別の5年生存率はⅠ期:90%以上 (100%)、Ⅱ期:35~45% (77.1%)、Ⅲ期:15~20% (28.7%)、Ⅳ期:5~7% (23.5%)程度 (…括弧内は当院の成績)で、当院ではいずれも全国平均より優れた成績を実現しています。退院後は、抗がん剤投与などの追加治療や採血、超音波、CTなどによる再発のチェックを適宜行っていきます。

胆管癌 無再発生存 胆管癌 生存

(2014年6月30日更新)