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胸部大動脈瘤

胸部大動脈瘤とは 慈恵医大外科での治療と成績

慈恵医大の特徴

従来の人工血管置換術はもちろんですが、ステントグラフト内挿術も非常に積極的に行っております。日本では2008年からGore社のTAGが胸部用のステントグラフトとして保険収載され使用されております。また現在はMedtronic社のValiant、Bolton社のRelay、COOK社のTX2が使用可能で、今後も新規デバイスが認可されていくと思われます。当科ではわが国での保険収載に遡ること2年前より個人輸入して使用しておりましたが、良好な成績を収めております。

TAA術前・術後

ステントグラフトの弱点とされるのは頭の血管や内臓の血管が枝分かれしている部分に瘤が存在する場合です。こういった分枝にまたがる動脈瘤に対してはステントグラフトに穴を開けたタイプ穴あき(fenestrated)や枝にステントグラフトを挿入する枝付き(branched)最新式のステントグラフトを行っております。しかしこれらのステントグラフトは完全custom-madeであり、発注から納入まで約1-2か月かかります。これらの使用は当院の倫理委員会の承認を得て使用しております。

対象は弓部大動脈瘤、胸腹部大動脈瘤の手術不能例に限りますが、場合によってはステントグラフトと手術を組み合わせたハイブリッド手術も可能です。

図、弓部大動脈瘤に対する枝付きステントグラフト

図:弓部大動脈瘤に対する枝付きステントグラフト

したがって慈恵医大血管外科においては胸部あるいは胸腹部大動脈瘤に対しては、

  1. 従来の人工血管置換術
  2. ステントグラフト内挿術
  3. 穴あきあるいは枝つきステントグラフト
  4. 手術による血行再建+ステントグラフト内挿術のハイブリッド手術

の中から最も患者さんにあったと思われる方法を選択することができます。


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当科での成績

過去約8年間の成績です(2006年7月~2014年7月)

胸部大動脈瘤(待機手術)

ステントグラフト内挿術(全体):411例

手術死亡:6例(1.4%)

主要合併症:30例(7.3%)

弓部大動脈瘤(遠位弓部瘤を含む):256例

 (弓部置換先行例、枝付きステントグラフト、ハイブリッド手術を含む)

手術死亡:6例(2.3%)

合併症:

  • 脳梗塞:18例(7.0%)
  • 上行大動脈解離:3例(1.1%)
  • 対麻痺:2例(0.7%)

胸部下行大動脈瘤:155例

 (治験手術例も含む)

手術死亡:0(0%)

合併症:

  • 脳梗塞:1例(0.6%)
  • 心不全:1例(0.6%)
  • 腎不全:2例(1.2%)
  • 対麻痺:2例(1.2%)
  • 逆行性解離:1例(0.6%)
胸部大動脈瘤(緊急手術)

ステントグラフト内挿術(全例):37例

手術死亡:3例(8.1%)

主要合併症:

  • 脳梗塞:1例(2.7%)
  • 心筋破裂:1例(2.7%)
  • 心不全:1例(2.7%)