小児外科 ヒーローイメージ
裂肛(切れ痔) 大腸ポリープ(若年性ポリープ) 腸重積 メッケル憩室
小児外科 – お子さんの便に血が混じる(下血を認める)病気

裂肛(切れ痔)

こどもでおしりから血が出る原因のほとんどはこれです。硬い便がでたときによく見られ、一般的に肛門の前方と後方切れて出血し痛みも伴います。血は真っ赤な血で、糸のように便がついたり、てんてんとついたりします。裂孔の場合は、排便時の痛みを訴える以外の訴えはほとんどありません。

大腸ポリープ(若年性ポリープ)

比較的まれな病気ですが小児でも大腸にポリープができて出血(下血)することがあります。ポリープの場合は成人と同様に注腸検査や大腸ファイバーによる診断が必要です。ポリープの切除は成人と同様に大腸ファイバーを使って行いますが、小児の場合は、安全に行うためにも全身麻酔が必要になります。

腸重積

この病気は、生後4ヶ月から5歳までのお子さんにみられ、特に1歳前後のお子さんに多くみられます。イチゴゼリー状の血便を認めます。この場合は、間歇的な腹痛や不機嫌を伴うことがあり発症後早期の治療が必要です。まずは、レントゲンを使いながら大腸内に造影剤をいれ、圧をかけながら重積(重なった)した腸を元に戻しますが、発症して時間が経つと手術による治療が必要になることがあります。

メッケル憩室

お子さんがお母さんのお腹の中にいるときに、臍と腸の間にある卵黄管という組織が残ったもので、腹痛や血便を繰り返し貧血が急速に進行し輸血が行われていることがあります。通常黒いタール便ですが大量の出血の場合は、鮮紅色になります。また、腸重積(別記)の原因になることもあります。診断は、核物質をつかった通称メッケルシンチで70〜80%程度が診断されます。シンチでも診断されない場合もあり造影による診断は難しいので、腹腔鏡を使って診断に至ることもあります。そのときにそのまま、腹腔鏡下に小さな創で手術(メッケル憩室の切除)することも可能です。