石崎 俊太(レジデント3年目)
卒業年:2018年
出身大学:
東京慈恵会医科大学
皆さんこんにちは。慈恵医大外科学講座で医局長を務めております、後町武志と申します。私たちは講座内にレジデント委員会を設置し、外科専門医を目指す皆さんが滞りなく修練を終えられるよう、研修プログラムを統括して管理しております。
ぜひこちらのページに目を通していただき、私たちのレジデントプログラムへのご関心を深めていただけたら幸いです。そして、何かご相談になりたいことやご質問などがありましたら、遠慮なくご連絡くださると嬉しく思います。
2023年4月には第123日本外科学会定期学術集会を主催し、私たちの講座は今、活気に満ち溢れております。
より高く、より遥かへ。
皆さんが私たちの仲間に加わり、明るい未来に向かってと飛び立つお手伝いができれば嬉しく思います。
私たちの講座は7つの診療部(上部消化管・下部消化管、肝胆膵、呼吸器、乳腺・甲状腺・内分泌、血管、小児)から構成される大講座制を採用しています。既に統合から20年以上が経過し、大講座制のフロントランナーを自負しております。国内に大講座制を採用している外科医局は多々ありますが、大講座がさらに小さな医局に分かれ、実質的に独立して運営している講座も少なくありません。同一臓器(疾患)を別々の講座が診療している大学もあり、「消化器外科を専攻したいが、第一外科と第二外科のどちらに入局したらよいかわからない」といった声をお聞きすることもあります。
慈恵医大外科学講座は間仕切りのない大講座として運営され、医局は一つのフロアにまとまり、デスクの配置も診療部によらない“モザイク状”です。日中の診療業務は基本的に診療部ごとに縦割りで運営していますが、日当直や学内・院内の委員会業務は一つの医局として全員で分担し、労務を大幅に軽減しています。
7つの診療部(疾患グループ)を有することから、外科専門医の取得に必要な手術症例を附属4病院と関連施設のみで経験することが可能です。不足症例を他の医局(施設)に出向して補う必要はありません。スタンプラリーのように症例数を稼ぐだけではなく、各分野のエキスパートから直接指導を受けることが可能です。レジデント全員が3年間で容易に必要症例を充足できます。
チェアマン直轄のレジデント委員会が修練計画を緻密に管理し、仕事とプライベートの両面で不自由なく生活できているかに気を配っております。手術の機会が与えられていなかったり不利益な取り扱いを受けている場合には直ちに改善に向けて取り組みます。実際に、レジデントの評価が継続して低い関連病院から派遣を撤退したこともあります。レジデント委員会はホットラインを開設してレジデントからの要望を常時受け付けています。
レジデント人事の調整はレジデント委員会が主体となって行い、ご家庭の事情やメンタル面なども考慮した上で派遣施設を決定します。3年間を通して経験症例数が均等になるように調整していますので、レジデントどうしで症例を奪い合うことは一切なく、外科専門医取得に必要な症例数は十分な余裕を持って確保することが可能です。
レジデントの皆さんが外科医として十分な臨床経験を得ることは修練の最優先事項ですが、経済的にゆとりのある生活をしていただくことも大変重要です。
レジデントとして附属4病院に勤務する際は全員が有給の正規職員として処遇され、賞与も支給されます。その他に週一日の外勤日(アルバイト)が設けられ、外勤先は講座が責任を持って手配いたします。大学院生扱いとして無給で臨床業務に従事させるようなことは絶対にありません。学外の派遣病院に勤務している際は各病院の常勤の正規スタッフとしての処遇が受けられるようにしていますので、3年間を通して経済的な心配は無用です。修練に支障がなく所属施設の兼業規定に違反しなければ、個人的に行うアルバイトに制限は設けておりません。
レジデント委員会はレジデントから待遇に関する情報も提供していただいており、レジデント間に所得格差が生じないように派遣施設を調整しています。
外科レジデントとして修練することの目的は、知識や技術を習得しつつ、基盤資格としての外科専門医を取得し、ゆくゆくは各サブスペシャリティのエキスパートになることです。それと同時に、医師として安定した雇用環境の中に身を置くことも極めて重要と考えられます。私たちの講座では3年間の修練を終えると無条件に正規の医局員(スタッフ)として採用されることが確約されています。後期研修には就職のような側面がありますので、この点はレジデント修了後のポジションが保障されていない市中病院のレジデントと比較して特筆すべきポイントと考えております。
他大学卒業の方や慈恵医大とは全く関わりのない病院で初期臨床研修を行っている方は、縁もゆかりもないところに飛び込んでいくことに大きな躊躇があると思いますが、私たちの講座では年齢や性別、出身大学、研修病院はもとより、医師になるまでに歩んできた経歴によって差別を受けることは絶対にありません。
私たちはレジデントをどこで修了したかをもって最終学歴とし、「慈恵医大でレジデントを修了した方の最終学歴は慈恵医大卒として分け隔てなくお迎えする」というスタンスを堅持しています。社会人・他職種を経験してから医師となった医局員も少なからず在籍しており、歯科医師や薬剤師のライセンスを持ったスタッフも所属しています。それぞれが具有する人生経験や価値観からもたらされる“Diversity”こそが、講座の活性化に貢献するものと確信しています。年齢を理由に外科医になることをためらっている先生方にも、ぜひ扉を叩いていただきたいと考えております。
一つ屋根の下で過ごしたスタッフが他大学や他病院に就職することを祝福することはもちろんですが、開業、転職する場合にも全面的に支援しております。スタッフが定年を迎えるまで一生涯、講座として責任を持つという覚悟の上でレジデントを採用しており、何らかの形で一生お付き合いしたいと考えています。
レジデント修了後の診療部選択は完全に個人の自由で、人数制限や選抜制度は設けられていません。初期研修の段階で進路が定まっていない先生方は3年間かけてゆっくりと興味がある診療部を吟味していただけます。学生時代からある診療部を一途に目指していたのに、レジデント生活を通して新たな興味が芽生えるということもあります。スタッフとなってからも診療部の転向は自由で、これまでにも複数の転向実績があります。
「外科医になる」「外科医局に入局する」ということを考えてみたときに、皆さんの頭の中をよぎるのは、「体育会系のノリについていけるのか」「仕事が忙しすぎて過労で倒れないか」という憂慮ではないでしょうか。
たしかに外科医の世界は「返事はハイかYes以外言うな」とか、「教授が白といったら白である」というような不文律が存在し、“体育会系”の社会で身を削るように働いていた時代が存在していたかもしれません。しかしこのご時世にそんなスタイルで講座運営をしていたら、人材が集まらないであろうことは容易に想像がつきます。若手医師の皆さんがワークライフバランスやプライベートタイムの充実を重視する傾向が非常に強くなり、医師の働き方改革を間近に控える中、時流に沿った修練をお受けいただくことは講座の責務です。私たちのスローガンは「トキメキと安らぎのある村社会」であり、レジデントの皆さんは安価な労働力ではありません。
私たちはタスクシフティングや当直勤務の負担軽減、関連学会への働きかけなど、外科医の待遇改善に向けて積極的かつ具体的な対策を打ち出しております。レジデントの皆さんの心理的な負荷を軽減し、適正な休息時間を確保できる環境の醸成に講座全体として取り組んでおります。
【附属病院での具体的な取り組み】
女性医師のワークライフバランスへの配慮は、講座運営の一丁目一番地といっても過言ではありません。女性医師の妊娠が判明した場合には当直業務を直ちに免除し、必要に応じては派遣施設の変更も行います。出産後は時短勤務制度の活用も含め、育児や家庭の事情を最大限に考慮した職場復帰を目指します。私たちの講座は男性医師の比率が非常に高く、女性医師の休職は十分な余力をもってカバーできるため、出産後に早期の職場復帰を強要することは一切ありません。
講座として大学院進学や留学を積極的に推進し、リサーチマインドを持ったAcademic Surgeonの養成に努めています。国内のハイボリュームセンターへの臨床留学も支援しており、毎年コンスタントに出向しています。
近年では第39回日本外科系連合学会学術集会(2014年6月・矢永勝彦教授*)、日本ヘルニア学会学術集会(2017年5月・吉田和彦教授*)、第60回国際脈管学会(2018年8月・大木隆生教授)、第74回日本消化器外科学会総会(2019年7月・矢永勝彦教授*)、第52回日本内分泌外科学会学術大会(2019年10月・武山浩教授*)など数多くの学術集会の主催実績があり、診療部の垣根を越えて講座全体で一致団結して臨んでいます。(*職位は当時)
2023年4月には大木隆生教授が栄誉ある第123回日本外科学会定期学術集会を主催しました。常に学術交流の中心で研鑽を積めることは、レジデントの皆さんにとってかけがえのない財産になるものと思います。
医局の公式行事として慈刀会総会(同門会)と慈刀会セミナー(春・秋の年2回)を開催し、現役医局員と講座OB・OGが親睦を深める機会を設けています。慈刀会セミナーでは特別講師を招聘し、基礎・臨床の両面に渡って最先端の知見を学ぶ貴重な機会となっています。
その他に医局旅行(年1回)やゴルフコンペ(年2回)、チェアマン夕食会(毎月)を開催し、医局員どうしのプライベートな交流も大切にしております。いずれも参加は強制ではなく自由です。レジデント1年目は毎夏にチェアマンインビテーショナルゴルフ合宿に無料で招待され、軽井沢で大木チェアマンとゴルフに親しみます。
外科学講座のレジデントシステムは15年に渡る実績を持ち、毎年10名前後のレジデントが私たちの仲間に加わってくださっています。熱い志を持つ先輩、同期、後輩と切磋琢磨することは、皆さんの医師人生にとって大きな財産となるでしょう。
レジデント期間の3年間では外科領域すべてにわたる基本的な診療・検査手技・手術手技を獲得することが要求されますが、外科学講座ではこれらのニーズに十分お応えできるプログラムをご用意いたしております。
私たちは原則として(*)3年間のレジデント期間を設けており、3年間は特定の診療部に所属することなく幅広い分野の修練に従事していただいています。レジデントプログラムは1年間を1タームとして、3つのタームから構成されます。
*他施設での後期研修経験をお持ちの先生(中途採用)については、経験に応じてレジデント期間を短縮します。
3タームのうち1タームを基幹病院ローテーションとし、附属病院(本院)6か月・分院(柏・第三・柏)6か月のローテーションとしています。基幹病院ローテーションに入るレジデントにはどの分院に所属するかをあらかじめ通知していますので、本院・分院間の異動で転居が不要となるように配慮しています。血管外科を進路として検討しているレジデントは血管外科手術の経験できる柏病院の派遣とするなど、できる限りレジデントの希望に沿うように配慮しています。
2タームは大学派遣病院(厚木市立病院、町田市民病院、富士市立病院等)を中心に、市中病院でのローテーションとします。市中にも多数の関連施設があり、最先端の治療を提供する施設、救急医療が充実した施設、内視鏡手技が豊富に経験できる施設、地域医療に注力する施設と、施設ごとの特性も多岐に渡っています。レジデント教育に適した施設を厳選しており、いずれの施設にも指導経験の豊富なスタッフが在籍しています。日本外科学会やサブスペシャリティ学会の認定施設・修練施設が大多数を占めていますので、レジデント修了後のキャリア形成にも十分に寄与します。
呼吸器、乳腺・甲状腺・内分泌、血管、小児については選択コースを設置し、興味のある分野について重点的な修練を受けることができます。この場合でも、外科専門医の取得に支障がないように配慮されます。
レジデントの皆さんに向けたセミナーを定期的に開催し知識や技術のブラッシュアップに努めています。ハンズオン形式のセミナーは受講者にも大変好評です。
東京慈恵会医科大学外科のレジデントプログラムの詳細をご覧になりたい方は ここをクリック してください(レジデント期間3年のプログラムが記載されています)。
東京慈恵会医科大学附属病院(本院)
皆様のご希望に応じて、主に以下の中からアレンジいたします。
※学生の皆様がお越しになった場合は、研修医室や研修医寮の見学、当院の初期臨床研修医との交流、臨床研修センターの事務職員との面談もご希望に応じて調整いたします。
各診療部ごとにお受入れが可能な曜日が決まっております。
上部消化管 | |
---|---|
月 | 〇 |
火 | 〇 |
水 | 〇 |
木 | △ |
金 | 〇 |
土 | × |
下部消化管 | |
---|---|
月 | 〇 |
火 | 〇 |
水 | △ |
木 | △ |
金 | 〇 |
土 | × |
肝胆膵 | |
---|---|
月 | 〇 |
火 | 〇 |
水 | 〇 |
木 | × |
金 | × |
土 | × |
呼吸器 | |
---|---|
月 | 〇 |
火 | 〇 |
水 | 〇 |
木 | × |
金 | × |
土 | × |
乳腺・甲状腺・内分泌 | |
---|---|
月 | 〇 |
火 | × |
水 | 〇 |
木 | × |
金 | 〇 |
土 | × |
血 管 | |
---|---|
月 | 〇 |
火 | 〇 |
水 | × |
木 | 〇 |
金 | × |
土 | × |
小 児 | |
---|---|
月 | 〇 |
火 | 〇 |
水 | × |
木 | × |
金 | × |
土 | × |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
---|---|---|---|---|---|---|
上部消化管 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | × |
下部消化管 | 〇 | 〇 | △ | △ | 〇 | × |
肝胆膵 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | × |
呼吸器 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | × |
乳腺・甲状腺・内分泌 | 〇 | × | 〇 | × | 〇 | × |
血 管 | 〇 | 〇 | × | 〇 | × | × |
小 児 | 〇 | 〇 | × | × | × | × |
(〇となっていても当日の手術予定、学会出張等によりお引受けできない場合がございます。)
遠方からお越しの場合には、ご帰宅の際にご利用になる新幹線や飛行機の出発時刻をあらかじめ申し出ていただければ、必ずその時間に間に合うように配慮させていただきますので、どうぞご安心ください。
医学生の方:臨床研修センター を通してお申し込みください。
初期臨床研修医・その他の方:こちら のフォームからご連絡ください。担当者より折り返しメールにてご連絡させていただきます。
ご見学希望日はお申込み日より2週間後以降、2か月以内でご記載ください。複数(可能であれば3個以上)の候補を挙げていただけると大変助かります。