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上部消化管外科 – 食道癌 – 食道癌Q&A

Q1 手術をしたほうがよいか迷っています。相談できますか?

A1 最近ではセカンドオピニオンといって他の医療者の意見を聞くことができます。当院でもセカンドオピニオン外来があります。ただし、もしセカンドオピニオンを受ける場合には前医からレントゲンや内視鏡検査の結果を借りて受診されることをお勧めします。また、セカンドオピニオンにはあらかじめ外来の予約をとる必要があります。突然来院されても時間の制約があり適切なアドバイスができないことがあるからです。

Q2 手術の危険性はどのくらいありますか?

A2 食道がんの手術は、手技的に難しく患者さんの体への負担も大きい手術です。しかし、麻酔法や手術法の進歩から現在では安全に行える手術になってきました。ただし、他の手術に比べて危険性は少なくないので、術前、術後の厳重な管理は必要です。場合により手術治療以外の治療法をお勧めすることがあります。

Q3 手術時間はどのくらいですか?また入院期間はどのくらいです?

A3 手術の3〜6日前にご入院していただきます。手術は8〜10時間くらいで全身麻酔で行い、手術当日〜翌々日まで集中治療室にて治療します。術後の入院日数は2〜4週程度です。ただし、食道がんは、患者さんの進行度や全身状態が異なるため、若干のバラツキはあります。

Q4 手術後どのくらいで仕事ができるようになりますか?

A4 手術方法で若干異なりますが、早ければ術後1ヶ月、大半の患者さんは術後3ヶ月以内に仕事に復帰しています。

Q5 手術前後、抗がん剤などの治療を行うのですか?

A5 手術前後の抗がん剤や放射線治療を行うかどうかは、がんの進行度によって異なります。基本的に病期ステージ II 以降では抗癌剤治療を手術に先行させるケースが多くなっています。その際は、手術前に約2ヶ月半の間に2回の抗癌剤治療を入院して行います。手術後に関しては、手術でがんが取りきれてリンパ節に転移がない場合には抗がん剤などの治療は行いません。しかし、リンパ節に転移があったり、再発の危険性がある場合には、患者さんと相談して抗がん剤などの治療を行います。治療は、抗がん剤の専門医と放射線治療の専門医と共同で行います。

Q6 手術後どのくらい外来に通うのですか?

A6 退院して約2年間は2〜3ヶ月に一回外来通院していただきます。抗がん剤治療などの補助治療を行う場合には、外来通院の回数は増えます。2年後からは、通常4ヶ月に一回の受診となります。病気が安定していれば、紹介医で診て頂くこともあります。3年以降は半年に一回程度になります。

Q7 手術後の食事・栄養管理に不安がありますが?

A7 食道癌術後は他の消化管手術に比べ術後食事摂取量が不足しがちとなります。入院治療中はもちろん、退院後も食事栄養管理に関して外科医だけでなく、食道がん術後の食事療法や栄養管理に特化した管理栄養士による栄養指導が受けられます。また、当院では手術中に造設した腸瘻を術後の栄養補充ルートとして退院後も使用し、術後の低栄養、体重減少の予防に取り組んでおります。

(2020年1月更新)