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RESIDENT LOGBOOK

たまごサンドの余韻
2025.06.05

私が勤務する病院の売店には、近所のパン屋さんから届く手作りのお惣菜パンが並びます。
どれも素朴で気取らない味ですが、夕方になるといつの間にか売り切れてしまうほどの人気です。

この日は大きな手術があったので、昼食を逃してしまいました。
ようやく終わって売店に立ち寄ると、棚の端にたまごサンドがひとつだけ残っていました。

お会計を済ませ、医局でいただきます。
ふわふわのパンに、しっとりとした卵のペースト。
特別な食材ではないはずなのに、どうしてこんなに美味しく感じるのでしょうか。

手術では自分が術者ではなく助手でしたが、助手の動き方一つで術野の展開は大きく変わってしまいます。術者にとってストレスのない助手であることは、巡り巡って患者さんにとってもより良い手術につながっていく――そんなことを、術中ずっと考えていました。

たまごの甘さがじんわりと広がる中で、「次も、しっかりやろう」と、自然と背筋が伸びました。

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