小児で腹痛を起こす病気のほとんどが胃腸炎や便秘です。
急性虫垂炎
比較的良く見られる病気で、比較的稀ですが乳児から就学前のお子さんにも起きることがあります。一般的に右下腹部に痛みを訴えますが、小さなお子さんは痛みを正しく訴えられず病気の進行も早いので腹膜炎になってから来診されることも時々あります。お腹を触ったときの痛みの様子や採血による炎症反応や超音波検査やCTなどの画像検査で診断は比較的容易になってきました。早い時期は抗生物質の投与で治りますが、病状が進むと手術が必要です。
炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)
(※ 下部消化管外科のホームページ、クローン病、潰瘍性大腸炎も参照ください)
一般的に成人に見られる病気ですが乳児期から発症する稀なケースもあり、下血や下痢を伴います。一般的に薬物療法や食事制限による治療を行いますが、特に思春期前に発症するとステロイドの副作用や病気そのものによる発育遅延、第二次性徴遅延も問題になってきます。
胃十二指腸潰瘍
成人と同様に小児でもみられることがあります。出血(吐血や黒い血便)で発見されることもあります。診断は、成人と同様に内視鏡検査で行いますが、小児の場合は安全に検査を行うこととお子様に精神的な負担を負わせないように全身麻酔下の内視鏡検査になります。お子様の潰瘍にもピロリ菌が関連していることがあり、その場合ご両親もピロリ菌がいることが多くみられます。
腸回転異常症
(嘔吐の章を参照ください)
腸重積症
(血便の章を参照ください)
その他
胃軸捻転、メッケル憩室、胆道拡張症、ヘルニア嵌頓、水腎症なども痛みを契機に発見されることがある病気です。