操縦席の窓から(一般公開用)
操縦席の窓から

PERFORMANCE2022@新潟
2022.10.19

街歩き音楽

午前中の上越新幹線に乗り、いざ新潟へ。

新潟には穏やかな秋晴れの空が広がっていました。

信濃川にかかる萬代橋(重要文化財)

夕方に信濃川沿いを散策。

やすらぎ堤

18時頃、新潟県民会館に到着。

私が達郎さんを敬愛する理由の一つは、ファンに対する気遣いです。
最近はライブで「最大ヒット曲」を演奏しないミュージシャンが少なからずいると聞きますが、達郎さんはライブのお客さんとの出会いは一期一会であるという信念から、必ず「クリスマス・イブ」を演奏することにこだわっています。

達郎さんほどに音楽家としての芸歴が長いと、私のようなコアなファンですら何曲のレパートリーがあるのかわからない域に達しています。ファンが好きな曲も人それぞれで、ライブに対して「あの曲を演奏しろ」「この曲はもう演奏しなくてよい」という声がたくさん届いているそうです。そして、演奏しなくてよいと言われる曲の筆頭は「クリスマス・イブ」。達郎さんはそのような声を7年前のライブでバッサリと斬っていました。

「一生懸命働いて高いチケットを買って、遠くから電車に乗ってライブに初めて来たお客さんが、私が『クリスマス・イブ』を演奏しなかったらどれだけ寂しい気持ちになるのか。その気持ちを考えたら、あなたたちみたいなベテランが5分くらい我慢しなさい(笑)」


私は「クリスマス・イブ」は達郎さんの曲の中では大好きな一曲で、同僚の先生方からは「夏なのに冬の曲が流れる」「クリスマス・イブばかり流れる」といったお声をいただくことがよくあります。
ちなみに、いつも「クリスマス・イブ」が流れているとは言っても、Englishバージョンがあったり、アコースティックバージョンがあったり、日本語の“いつもの”演奏でも「MELODIES (30th ANNIVERSARY EDITION)」「30th Anniversary Edition」とかに微妙にリマスターが違うので、同じ「クリスマス・イブ」が再生されているわけではありません(笑)

終演後、ロータリーには新潟交通の臨時バスがお迎えに。

わざとなのか偶然なのか、ライブを後援するFM新潟のラッピングのバスでした。

ライブの余韻に浸りながら夜の町を散歩。新潟県民会館からほど近い、新潟大学の旭町キャンパスを訪問しました。新潟大学は10学部からなる総合大学で、医学部と歯学部が新潟市の中心部に、その他の学部は郊外の大きなキャンパスに所在しています。

門の近くには句碑が立っています。

学問の 静かに雪の 降るは好き

中田瑞穂先生という元教授が詠まれた俳句で、中田先生は「日本脳外科の父」とも言われる脳神経外科学のレジェンドですが、同時にプロの俳人でもいらっしゃいました。

深々と雪が降り積もる中、研究室で学問に勤しむ姿を描いた句なのでしょうが、素人目にも美しい響きを感じます。

もう一つ、外科医にとって素晴らしく感じられる名句があります。


刻々と 手術は進む 深雪かな


これも手術の空気感が伝わってくる句ですね。

中田先生は、昭和23年(1948年)の第48回日本外科学会定期学術集会の会頭でもいらっしゃいます。

古の外科医たちの息遣いに思いを馳せながら、新潟の夜はふけていきました。

夜の萬代橋
操縦席の窓からトップ