増田 隆洋
外科医という職業はトップアスリートの世界とよく似ており、常日頃の自己研鑽によって技能と知識を高レベルに維持し続けなければなりません。日々新たになっていく医療技術・知識をフォローし、さらにリードしていくためには個人レベルでの「情熱、努力、根性」の継続が絶対的に必要です。しかし、私を含めて人間は自分に対しては妥協し易いものですので、この三者を長期に渡って継続することは環境次第でなかなか困難になります。
慈恵医大外科学講座のの大きな特徴は指導医の面倒見がよく、無理なく自己研鑽を続けられる環境が整っていることです。確立された指導体系により高度な手術手技を確実に身につけることができ、また学術活動にも積極的に参加できることが魅力の一つとなっています。
もし自分の学術的な探究心を追求したいという場合には、大学院進学や国内外の留学という選択肢も用意されています。私自身も大学院への進学、および3年間のアメリカ留学を経験する機会をいただきました。海外留学では世界トップレベルの外科医たちの謦咳に接しながら、医療の最先端を行くアメリカで今何が注目されているのかを直に学ばせてもらうことができました。さらに世界中から留学してくる医師たちと親しく交流できたことで、各国の医療の現状への理解を深めることができました。慈恵医大から世界に向けて何を発信できるのかを考える上で、これらのことは大きな財産となったと思います。慈恵医大外科学講座では技能と知識の両者を「極め」たいというレジデントの皆さんを大歓迎し全力でサポートします。そして皆さんと一緒に文武両道の理想の消化管外科医を目指して働けることを楽しみに待っています。