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主な疾患と治療法 学会活動 主な研究項目 スタッフ紹介 外来担当医表

血管外科

当科に興味のある医学生、研修医、医師の方へ

当科は血管外科として下記に述べる治療において全国で有数の件数を誇っております。多くの指導医を擁しております。血管外科医としては時代の流れからただ切る手術だけでは存続できません。時代のニーズに併せた低侵襲治療が必要となります。国内の最後の砦として難手術も行っております。また、大学病院としての使命である教育にも力を入れております。手術の数が多いので他の施設より数倍の速度でトレーニングも可能と思います。リスクの高い手術を行っておりますので安全が担保される状況でなくてはいけません。そう言った点からも多くのスタッフがいるので安心だと思います。手術以外でも特殊な疾患への遭遇の機会も多くこの点でも修練に適した施設という事ができます。当科の構成員の内、慈恵医大卒業は約半数であり、差別や区別は一切ありません。「一緒に働けば皆仲間」という今風に言えばワンチームの考え方ですので興味のある方は是非いらして頂ければと思います。また、見学に関しても広く門戸を開いておりますので随時可能です。ご連絡頂けばと思います。

血管外科は脳と心臓を除くすべての血管の病気を扱う科です。

2006年大木隆生教授の帰国を機にこの分野は目覚ましく発展を遂げました。日本の血管外科の隆盛は現在の慈恵医大の血管外科の躍進と重なるものがあると我々は自負しております。動脈硬化性の疾患が高齢化の波と共に押し寄せる中、日本では血管専門の医師が少ないために適切な治療を受けられない患者が未だに多く存在するものと思われます。この分野の疾患の治療に当たる医師には、これまでの様に外科手術、内服治療のみではなく、カテーテルを用いた血管内治療などの多くの種類の治療法を習熟している事が必要であります。時にハイブリッド治療を行う事も多く、「私は内科医ですのでここまで」、「私は外科医ですので手術以外はわかりません。」と言う立場でお互いを相互補完する体制では治療に遅滞を来すことがあります。慈恵医大の血管外科医はまずは内科医として外来で内服などを含めた保存治療を行い、血管内治療と外科手術の両方の利点欠点を理解してベストな治療法を患者さんに示し実行していく医師だと我々は理解しております。日進月歩の領域ですので、この分野の疾患では常に治療法が進化しています。このため手術を受ける際には患者さんは最新の治療に対する情報や技術を持った医師に診療してもらう事が重要となります。当科ではここ10数年に血管外科疾患としては全国有数の件数を誇っているので、血管外科分野において最新で最良の治療を受ける事が可能となっております。これまでも多くの治験を当院で行っており、最前線を担ってきた実績の一つと言えると思います。学会発表などを通じて良い治療法を全国の血管外科医に知ってもらうために、積極的に行っております。慈恵医大血管外科ではこれらの最新の治療の裾野を広げるために、当科の医師を派遣して(以下の関連病院)地域での血管疾患の治療に当たっております。その他、これまで全国の多くの病院に指導医として当科の医師を派遣して我が国の血管外科の診療体制の向上に努めて参りました。国内のみならず、世界から見学の医師の依頼も受けて参りました(見学の医師が診療に当たる事はありません)。これらも血管病の患者の治療の普及を通じて見えない患者さんの治療に役立てるためであると考えております。これからも日本の血管疾患の患者の治療向上に向けて診療を続けていきたいと思っております。

           東京慈恵会医科大学外科学講座血管外科主任教授
大木 隆生

当院を受診される患者さんへ

当科では全国より患者さんが集まって来るため日々の外来はスタッフ全員で分担して対応しております。しかし、それでも混雑しておりますのでお待たせする事があると思いますが、各スタッフが親身になって相談に応じる様に心掛けております。手術と言うものは一生に何回も受けるものではありません。一生に数回の大事な手術を受けるに当たっては家から近いや遠いは二の次です。安全と少しでも良い治療を受けるために患者さんに置かれましては病院選びには是非、こだわって頂き、病気を治して頂きたいと思っております。

主な疾患と治療法

血管外科
血管外科

学会活動

学会事務局:

日本血管内治療学会 理事長

学会主催:

2008 国際脈管学会

Japan Endovascular Symposium(毎年開催)

詳細はこちらからご覧ください

主な研究項目

当科では豊富な大動脈瘤・大動脈解離・末梢動脈疾患の手術症例を元に、本学再生医療研究部ならびに東京女子医科大学・早稲田大学連携先端生命医科学研究教育施設(TWIns)とも連携し、新規医療機器・術式、手術器具の開発を行っております。

また、他施設とも共同し臨床研究を行っております。

大動脈瘤・大動脈解離

胸部大動脈瘤に対する分枝付きステントグラフトの開発

胸腹部大動脈瘤に対する分枝付きステントグラフトの開発

経皮的治療を可能にする新しいステントグラフトの開発

生体組織由来材料を用いた血管内治療の開発

大動脈疾患に対する幹細胞を用いた再生医療研究

流体力学的評価による大動脈解離に対するステントグラフト治療の効果判定

3次元画像ナビゲーションシステムを用いた新しい血管内治療法の開発

3次元カラードプラーを用いた血管病変の診断、術式決定に関する研究

大動脈瘤の経時的変化の3次元的画像解析

腹部大動脈瘤に対するステントグラフト留置術時の下腸間膜動脈塞栓の有用性の評価:多施設前向き無作為化比較試験

リファンピシン浸漬人工血管による感染性動脈瘤・人工血管感染・動脈瘤感染に対する治療の臨床研究

末梢動脈疾患

小切開頚動脈内膜摘除術の開発

大動脈疾患ならびに末梢動脈疾患の診療に関する多施設共同実態調査

末梢動脈疾患治療に関する多施設前向き研究

浅大腿動脈プラーク(アテレクトミーにて摘出)に対する各種薬物治療の効果の解析

閉塞性動脈硬化症の新しい非侵襲的治療法の開発(閉塞病変の開通)

重症下肢虚血肢に対する遺伝子導入細胞および幹細胞を利用した血管新生療法

下肢閉塞性病変に対するDrug Eluting Stentの開発

腎動脈狭窄症に対するステント術の腎機能に及ぼす影響

私の大学院生活

宿澤孝太(2005年卒)

 2016年4月から3年間、大学院生として東京女子医科大学・早稲田大学連携先端生命医科学研究教育施設(TWIns)にて勉強をしてまいりました。私が所属しておりました梅津・岩﨑研究室は日本の人工心臓開発・研究を牽引してきた歴史ある工学系の研究室であります。現在では人工心臓だけでなく、冠動脈・脳血管・末梢用の血管内デバイスをなどの幅広い医療機器を工学的観点から研究しており、その中で私はステントグラフトに関する研究を行いながら、レギュラトリーサイエンス(RS)という学問を学んでまいりました。RS、聞きなれない単語かと思いますが、医薬品・医療機器の評価学・適正規制科学に関する学問で、簡潔に申しますと新医薬品・医療機器をどの様にして安全に迅速に出していくかを学ぶ学問であります。大学院を卒業した現在も、同研究室と共同で、解離性大動脈瘤の偽腔内血流解析に関する実験を継続して行っております。

臨床から離れての研究生活は、外科医として不安があるのではと感じる人がいるかと思いますが、その環境でしか得られない知見や仲間と出会えることができ、それは一生の財産となります。慈恵大血管外科は、本学大学院だけでなく、他学大学院や研究室とのコネクションがあり、外科医として興味が湧いた分野での最先端施設での研究が可能なのも魅力であります。